事例詳細

調査・質問内容

茨木出身といわれる起倒流の流祖について知りたい。

図書館からの回答

公開日 2021/03/19

『柔道大事典』(柔道大事典編集委員会 アテネ書房 1999)P40 116-118 298 372 383
P40 茨木又左衛門俊房(いばらきまたざえもんとしふさ)、専斎ともいう。
P116-118起倒流、系譜、伝書について。
P298茨木又左衛門俊房に『本体』、『性鏡』を贈ったとされる、沢庵禅師について。
P372福野流について。茨木又左衛門俊房は門人。
P383起倒流柔術伝書・『本体』について。内容は、修行の態度や目的をしめすもの。

『日本古武道総覧』(日本古武道協会/編 島津書房 1997)P34
P34 系譜、由来、特徴、保存会(1997年時点での情報。)について記載あり。
起倒流の流祖については、福野七郎右衛門説、茨木専斎俊房説、寺田勘右衛門満英説、
三説あり。
又、専斎俊房と福野七郎右衛門が共同創設したとも伝えられている。

『日本武術・武道大事典』(加来 耕三/編 勉誠出版 2015)P249-250
P249-250概説・系図あり。起倒流について。起倒流の流祖については、福野七郎右衛門正勝説、茨木又左衛門俊房(専斎)説、寺田勘右衛門正重(のち満英)説の三説あり。

『日本大百科全書 6 かれーきよう』(小学館 1985)P605
「起倒流」の項目に、流祖についてあり。

『嘉納治五郎大系 第12巻』(講道館/監修 本の友社 1988)P21 36-37
嘉納治五郎大系は、全14巻(別巻1)あり。第14巻が資料・索引なので、参照されたい。

『完本日本武芸小伝』(綿谷 雪/著 国書刊行会 2011)
起倒流の文字は出てくるが、流祖・内容については、ほぼない。

インターネット情報
「市史編さん室だより:広報いばらきHTML版 平成26年7月号」
https://www.city.ibaraki.osaka.jp/koho/kohohtml/1407/07/23.html
其ノ26 柔道の源流 茨木専斎について。フルネームを茨木又左衛門尉俊房。
寛永19年(1642年)専斎が著した「起倒流乱授業目録」に、「余 遠くは茨木の城を出 近くは柳生の室に入りて
工夫ようやく熟し台覧を感得す」の記述あり。「茨木の城を出た」とあるので、茨木城のあった頃、誰かに仕え、
何らかの理由で茨木を出たことが読みとれる。戦国時代の末に茨木に住んでいた武芸者。 (2020年11月確認)

「武藝と禅 : 澤菴禅・「如今の開覚」に於ける「義」と「己」の剣禅一如」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11298709
国立国会図書館デジタルコレクション
永続的識別子info:ndljp/pid/11298709
起倒流についても触れている。
P68-69 89流祖・茨木の没年ともに不明とある。(2020年11月確認)

「嘉納治五郞の「形」の普及戦略に関する研究:
「起倒流の形」から「古式の形」への展開に着目して武道学研究45 -(2) : 119 - 133, 2012〈原著〉」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/budo/45/2/45_119/_pdf
総合学術電子ジャーナルサイト「J-STAGE」で読むことの出来る学術論文。桐生習作/村田直樹/藤堂良明
「2 起倒流の本旨」起倒流の成立や展開については未だ不明な点が多い。流祖を茨木又左衛門俊房(専斎と号す)とする説が有力。俊房は1622(元和8)年に良移心当流を興した福野七郎右衛門正勝と共に柳生家に身を寄せ,柳生宗矩(1571 ~1646)と共に武芸の研究工夫に励んでいた、とあり。福野の良移心当流を継いだ俊房は,起倒流の構想をまとめた目録を柳生宗矩に進呈しており,その経緯が1637(寛永14)年に柳生三厳(1607 ~ 1650)が著した『月の抄』に「乱の事又左衛門工夫の目」と記されている。俊房が考案した乱(みだれ)に起倒という名称を命名したのは禅僧沢庵との記述あり。

「起倒流乱目録」
https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB14856995
CiNiiでの検索結果。
筑波大学 附属図書館 中央図書館にあり。(2020年11月確認)

参考文献

タイトル 注記
柔道大事典 P40 116-118 298 372 383
日本古武道総覧 P34
日本武術・武道大事典 P249-250
日本大百科全書 6 かれーきよう P605
嘉納治五郎大系 第12巻 P21 36-37
完本日本武芸小伝

参考URL

タイトル 注記
市史編さん室だより:広報いばらきHTML版 平成26年7月号 (2020年11月確認)
国立国会図書館デジタルコレクション(インターネット公開資料)『武藝と禅 : 澤菴禅・「如今の開覚」に於ける「義」と「己」の剣禅一如』 (2020年11月確認)
嘉納治五郞の「形」の普及戦略に関する研究:「起倒流の形」から「古式の形」への展開に着目して武道学研究45 -(2) : 119 - 133, 2012〈原著〉 (2020年11月確認)
起倒流乱目録 (2020年11月確認)

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